鈴木さんゲーミングPCが欲しいけど、電気代が跳ね上がりそうで怖いんです。750Wとか書いてあるし、毎月数千円も増えたら生活できないかも……。
念願のゲーミングPCを買おうとしたとき、スペック表にある「750W」や「850W」という数字を見て、足がすくんでしまう人は少なくありません。鈴木さんのように「電気代が払えなくなるのでは?」と不安になるのは当然です。
しかし、結論から言います。ミドルスペック(RTX 4060クラス)のゲーミングPCなら、1日2時間遊んでも電気代の増加は月額500円程度です。これは、実測データに基づいた紛れもない事実です。
この記事では、メーカー公称の「最大値」ではなく、ワットチェッカーで計測した「実測値」をもとに、リアルな電気代をシミュレーションします。さらに、画質を一切落とさずに電気代を安くする「FPS制限」という裏技も紹介します。


専門領域:PCハードウェア・電力効率化
「理論値」で脅すのではなく、「現場の実測値」で安心させるのがモットー。自宅サーバーの省電力化で電気代を月2,000円削減した経験を持つリアリストです。
「750W電源=常に電気代が高い」は大きな誤解です
私も自作PCを始めたばかりの頃は、電源ユニットのパッケージに書かれた「750W」という数字を見てビビっていました。「ドライヤー(1200W)の半分以上を常に使い続けるなんて、とんでもない金食い虫だ」と勘違いしていたのです。
しかし、この認識は間違いです。電源ユニットの容量(750Wなど)と、PCの実消費電力(実際に使う電気)は全くの別物だからです。
わかりやすく例えるなら、電源容量は「車のエンジンの排気量(パワーの上限)」のようなものです。スポーツカーが街中を走るときに常にフルスロットルで走らないのと同じように、ゲーミングPCも常に750Wの電力を消費しているわけではありません。
実際には、ネットを見ているだけの「アイドル状態」なら電球数個分、重いゲームをしている時でも、電源容量の半分以下しか使わないことがほとんどなのです。
【結論】: 電源ユニットの「W数」を見て電気代を計算するのはやめましょう。
なぜなら、それはあくまで「供給できる最大能力」だからです。実際の電気代を知るには、パーツ構成ごとの「実測データ」を見る必要があります。次の章で、私が実際に計測した数値をお見せします。
【実測公開】RTX 4060搭載PCのリアルな電気代シミュレーション
では、実際にどれくらいの電気がかかるのか、具体的な数字を見ていきましょう。今回は、現在最も人気のあるミドルスペック構成(Core i5 + RTX 4060)でシミュレーションします。
電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込)を使用します。
状態別の消費電力(実測値ベース)
まず知っておくべきは、PCの状態によって消費電力が劇的に変わるという点です。
- アイドル時(ネット閲覧など): 約50W(1時間あたり約1.5円)
- ゲームプレイ時(Apex Legendsなど): 約200W(1時間あたり約6.2円)
驚くかもしれませんが、ゲーム中の消費電力(200W)は、6畳用エアコンの冷房運転(安定時)とほぼ同じか、むしろ安いレベルです。「ゲーミングPC=エアコン並み」というのは、あながち間違いではありませんが、決して「エアコン以上」ではないのです。
1ヶ月の電気代はいくら増える?
鈴木さんのような一人暮らしの方が、毎日どれくらい遊ぶかで月額コストを計算しました。
| プレイスタイル | 1日の使用時間 | 月額電気代の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ライト層 | 平日1時間 休日3時間 | 約250円 | 缶コーヒー2本分 |
| コア層 | 毎日3時間 | 約560円 | ワンコインランチ1回分 |
| ヘビー層 | 毎日6時間 | 約1,120円 | サブスク1つ分 |
いかがでしょうか。毎日3時間ガッツリ遊んだとしても、増える電気代は月560円程度です。この金額で、家庭用ゲーム機を超える高画質と没入感が手に入ると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
画質を落とさず月300円浮かす「FPS制限」の魔法


「月500円でも安くしたい!」という方のために、ゲーマーだけが使える最強の節電術を伝授します。それが「FPS制限(フレームレート制限)」です。
FPS制限とは、PCが作り出す映像のコマ数(フレームレート)に上限を設ける設定のことです。なぜこれが節電になるのでしょうか?
例えば、鈴木さんが使うモニターが「144Hz(1秒間に144コマ表示)」だとします。しかし、高性能なゲーミングPCは、軽いゲームなら「200fps」や「300fps」を出そうと全力で計算し続けます。
モニターは144コマしか表示できないので、余分に作られた映像は捨てられているのです。この無駄な計算を止めるのがFPS制限です。
FPS制限の効果とやり方
ゲーム内の設定や、NVIDIAコントロールパネルで「最大フレームレート」をモニターのHz数(例:144)に合わせるだけです。これだけで、画質は一切変わらないのに、GPUの負荷が下がり、消費電力が30W〜50Wほど下がります。
毎日長時間プレイする人なら、この設定ひとつで月額200円〜300円の節約になります。画質を落とす「低画質設定」とは違い、体験の質を損なわないのが最大のメリットです。
ゲーマーの電気代にまつわるQ&A
最後に、私がよく相談される「細かいけれど気になる疑問」にお答えします。
- こまめにシャットダウンした方が電気代は安くなりますか?
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実は、PCは起動と終了の瞬間に大きな電力を使います。トイレや食事など、90分以内の離席であれば「スリープ」の方が省エネです。寝る時や長時間外出する時だけシャットダウンするのが正解です。
- 電気代のプランは見直すべきですか?
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夜間にゲームをすることが多いなら、夜の単価が安い「時間帯別プラン」がお得になる可能性があります。ただし、最近話題の「市場連動型プラン」は、夏場の夕方などに単価が高騰するリスクがあるため、ゲームに熱中する方にはあまりおすすめしません。
まとめ:正しく知れば、ゲーミングPCの電気代は怖くない
ゲーミングPCの電気代について、実測値をもとに解説してきました。
- 電源ユニットの「750W」は最大値であり、常時消費ではない。
- 実際のゲーム中は200W程度。エアコンと同等かそれ以下。
- 1日3時間遊んでも、月の電気代増加は約560円。
- FPS制限を使えば、画質そのままでさらに節約可能。
月500円〜1,000円の投資で、圧倒的な没入感と感動が得られるなら、それは決して高い出費ではないはずです。漠然とした不安は捨てて、ぜひ最高のPCライフをスタートさせてください。
参考文献・出典
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 – 電気料金目安単価の改定に関する件
総務省統計局 家計調査 – 単身世帯の光熱・水道費
ちもろぐ – ガジェット・PCパーツのレビューと実測データ









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